あじ

新治製菓舗「鬼饅頭」

「むかし丹波の大江山 鬼ども多くこもりいて」 福知山市の北郊、大江の里は「酒呑童子」伝説がいまも息づいている。「鬼」を村おこしのテーマにしており、祭りにも公共施設にも産品にも「鬼」を冠したネーミングが多い。 「鬼饅頭」は、さしずめその代表格。…

かき末「かき定食」

久しぶりに「かき末」ののれんをくぐった。初任地、先輩とよく行ったものだ。あれから30数年、冬場になるとここのカキが恋しくなる。唐破風を備えた格調ある店構え(写真1)も味も、そのころと変わらない。 創業は1926(大正15)年。内陸の福知山に…

蟻月「白のもつ鍋」

20年ほど前になろうか。博多名物「もつなべ」が全国的にはやったことがある。京都でもあちこちに店ができたが、1年もたたないうちに多くは姿を消した。 原因はいろいろ考えられるが、なべ好きのおじさん世代には味が濃厚すぎたのではないか。いまも「もつ…

岡山雄神「あたご梨」

岡山は「フルーツ王国」を自称している。白桃、マスカット、ピオーネ…。ネットには「フルーツ王国岡山検定」なるものまである。 「あたご梨」も王国特産のひとつ。戦時中の1943(昭和18)年、県内に導入され、いまでは岡山市西大寺の雄神・西隆寺地区…

日清「中央軒長崎ちゃんぽん」

「中央軒」は大阪・難波に本拠を置く長崎ちゃんぽんのチェーン店。大阪を中心に20店舗を展開する。 長崎名物のちゃんぽん、皿うどんは明治時代に長崎・四海楼の陳平順が考案、母国からの留学生らに食べさせたのが発祥とされる。中央軒はそれを40数年前に…

広島お好み焼き「大野/長久」

広島へ日帰り出張。となれば当然、昼はお好み焼きだ。 地元紙の専門サイト「炎の鉄板」を立ち上げた仕掛け人Tさんにあらかじめ電話で取材、取っておきの情報を仕入れておいた。 教えてもらった4軒の中から、さてどこへ行くか。ここがよさそう、いやここも……

日清「ミルクシーフードヌードル」

先月発売されたばかりの新製品。食べる前はさして期待していなかった。車で言えばマイナーチェンジ、フロントグリルや内装の一部を変えただけ−レギュラー版と変わりばえのしないパッケージの地味なデザインも手伝って、そんな先入観があった(写真1)。 ひ…

日清「レンジどん兵衛 カレーうどん」

新シリーズ「NEXT GENERATION」の「どん兵衛」カレー版(写真1)。このシリーズは熱湯を使わず、容器に水を入れて電子レンジで「チン」するのが特徴だ。 中身は、生めんと液体スープ、粉末スープ、かやくに分かれている。全部一緒に容器内にあけ、所定の線…

いいちょ「ラーメン」

ひところ行列のできる新興店とはやされたが、いまや押しも押されぬ中堅どころ(写真1)。店内にも落ち着きができてきた。 創業は1998年。「背脂系こってりしょうゆ味」に分類されるオーソドックスな京都ラーメンだ。 めんは中細のストレート。具は、チ…

すし乃池「穴子すし」

関西人からすれば、ちょっとディープ、いやかなりディープ、いやいやとってもディープな江戸前のすし屋へ行ってきた。谷中(やなか)。関東大震災や戦災での被害が少なく、昔ながらの風情が残る下町だ。 てっきり「寿司の池」だと思っていたら、ご主人が野池…

松本楼「ハイカラビーフカレー」

東京・日比谷公園の真ん中にある松本楼は、1903(明治36)年の創業。日本の洋式公園第1号とされる同公園とともに100年を超す歴史を刻んできた(写真1)。 当時は、西洋文化の香り漂う公園内を散策して松本楼でカレーライスを食べ、コーヒーを飲む…

日清「昭和のカレーヌードル」

映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」に特別協賛しているセブン‐イレブンが日清食品とのコラボレーションで作り上げたカップヌードル(写真1)。 映画の時代設定になっている1960年代、カレーと言えば家や学校の給食で食べるカレーが定番だった。その味を出…

ロシアラーメン「BIG BON」

これを食べるには少々勇気が要った。 まず、外装フィルムがない。カップがむき出し。大丈夫かいな? 表示も、商品名の「BIG BON」は読めるが、他はすべてロシア語でチンプンカンプン。中身も作り方も分からない(写真1)。 フタに鶏の絵が描かれていたから…

紀州そば 五代「黒天ざる」

和歌山のめんと言えば、和歌山ラーメンとばかり思っていたら「紀州そば」の店があった。初めて耳にするそばだが、これは入らねばなるまい。 和歌山城の堀端、三年坂下の「五代」(写真1)。民芸調の外観。地元のビル管理会社が経営するという変わダネだ。 …

徳島ラーメン「ふく利/東大」

徳島みやげに、ご当地の売れ筋ラーメン2種(生めんタイプ)をもらった。 徳島は、知る人ぞ知るラーメンどころ。人口27万人に満たない徳島市内に、100軒以上もの専門店があるという。 とんこつと鶏がらを使った濃厚なしょうゆ味が主流らしく、「焦げ茶…

高安「中華そば」

「ラーメン激戦地」といわれる一乗寺で9年。盛衰の激しいかいわいでは、もう中堅から古参の部類に入るだろう。いまも長い行列ができる人気店のひとつだ(写真1)。 定番の「中華そば」(600円、写真2)は、中細ストレートのめんに、とりがら+とんこつ…

日清「カレーチキンラーメン」

日清食品の「チキンラーメン」に、新たに「カレー」が加わった(写真1)。 カレー味のチキンラーメンは、これが初めてではない。同社のホームページをさっと見ただけでも、1961年に「チキンラーメン プラスカレー」、63年に「同 ニュープラスカレー」…

釜たけうどん「ちく玉天ぶっかけ」

先日紹介した大阪・千日前「千とせ」の斜め向かい。狭い通りをはさんで、南向きの列が「千とせ」、北向きに並んでいるのが「釜たけ」の行列だ(写真1)。 看板には「讃岐手打ち」とある。一番人気は「ちく玉天ぶっかけ」(680円、写真2)。 極太のうど…

千とせ「肉吸い」

うどんからうどんを抜いたら、何になる? そう、だしつゆだけの「吸い物」だ。 その昔、そんなギャグのような注文をした客がいた。吉本新喜劇の「とぼけ」役で人気を集めた花紀京。二日酔いの昼食にやって来て「肉うどんのうどん抜き」を頼んだという。名物…

西安食坊白梅町店「牛肉玉帯麺」

かつて「長安」と呼ばれた中国の古都・西安は、京都市と姉妹都市盟約を結んでいる。両市の交流は多方面で活発に行われているが、料理となると意外なほど知られていない。そんな西安料理を京都市内で味わえる数少ない店が「西安食坊」(写真1)だ。 中国人シ…

新宅本店「田舎そば/おろしそば」

曽爾村から名張市へ抜ける県道のわき、高台にある。元は村のよろず屋さん。外見も普通の民家で、トレードマークの大きな黄色いのれんがなければ、通り過ぎてしまう(写真1)。「黄色いのれん」は店の呼び名でもある。 そばは約7年前に始めた。冷たいそばだ…

そばざんまい

2泊3日の長野出張にかこつけて、現地で計8杯のそばを食べてきた。 名の通った専門店あり、パーティー会場の出店あり、駅の立ち食いあり…店はいろいろ、味もいろいろ。「そば王国」をたんのうした。 「そば時や月の信濃の善光寺」(一茶) ◇そば蔵(写真1…

永谷園「カレー鍋 和風」

数あるなべ料理の中で、これまでありそうで、なかったのが「カレーなべ」。なべは日本の家庭料理の定番。カレーはこれまた子どもから大人まで日本人の大好きな味。これまでなかったのが不思議なくらいだ。 ひとことで言えば、カレーうどんのうどん抜き。その…

萬来軒「中華そば」

ことしで33年になるそうだ。盛衰の激しいこの世界では老舗の部類に入るだろう。 取り立てて言う個性があるわけではない。品書きに「中華そば」とあるとおり、ごく普通のラーメンだ。 鶏がらベースのしょうゆ味。めんは中細ストレート。分厚いチャーシュー…

玉木屋「秋刀魚さんしょ煮」

うまいのは当たり前。それをさりげなく、コンスタントに出すところが老舗だ。 東京・新橋「玉木屋」は、天明2(1782)年の創業。つくだ煮、煮豆で知られ、旬の魚を使った季節の味わいには、いつ食べても舌を巻く。 絵は、知人からいただいた「秋刀魚さ…

トヨタ博物館「ビーフカレー」

「世界のトヨタ」は車だけではない。カレーまで売っている。 もとは、トヨタ博物館(愛知県長久手町)のレストランで出しているメニューのひとつ。来館者の人気が高く、レトルトにして発売されるようになったという。 買えるのは、博物館の売店かトヨタディ…

東農園「紀州五代梅 心」

たかが梅干しと侮ってはいけない。ひとつずつ丁寧に包装され、きれいな木箱の中に納まった風情は、さながら上菓子のよう(写真1)。気品さえ漂う。 製造元の東農園(和歌山県みなべ町)は、創業170年という紀州梅の老舗。「心」は、その中で贈答用に特製…

北海道農水産「旭川ラーメン」

北海道のラーメンは、札幌だけじゃない。出どこが定かでないが、旭川には市民1330人に1軒の割でラーメン店があるそうな。札幌で2350人に1軒というから、地元ファンの間に「旭川こそ道内一のラーメン王国」とする声が強いのもうなずける。 地域だけ…

まる姫「焼鯖ずし」

洛北・大原から若狭に抜ける国道367号は、通称「鯖(さば)街道」と呼ばれ、花折あたりから朽木にかけては道路の両側に「鯖ずし」ののぼりを立てた店が並ぶ。先日、小浜へ出かけた帰り道、その中で面白い1軒を見つけた。 道路わきに駐車場を設けたプレハ…

楽園ASIA Kyoto「ミーゴレン/グリーンカレー」

出来合いのペーストなどは使わず「厳選素材と丁寧な味つくり」をうたうアジアンレストラン。評判を聞いて、先週2度訪れた。どちらもランチタイムだった。 まず1度目。インドネシアのエビ入り焼きそば「ミーゴレン」に目玉焼き、焼き鳥、野菜スープ、デザー…