蟻月「白のもつ鍋」

20年ほど前になろうか。博多名物「もつなべ」が全国的にはやったことがある。京都でもあちこちに店ができたが、1年もたたないうちに多くは姿を消した。
原因はいろいろ考えられるが、なべ好きのおじさん世代には味が濃厚すぎたのではないか。いまも「もつなべ」は若者好みのイメージが強い。
「白いもつ鍋」(写真1)は、本場・福岡に本拠を置く「蟻月(ありづき)」の看板商品らしい。出先の若い人たちが以前取り寄せたらおいしかったのでと、なべの季節に合わして送ってくれた。
もつ(牛の小腸)の入った白濁スープは、数種類の白みそに秘伝のタレなどをブレンドして作り上げた特製。それにキャベツ、ゴボウ、おろしニンニク、ニラ、ゴマ、豆腐など具材一式がセットになっている。「締め」のちゃんぽんめんまで入っているところがニクい。
なべがグツグツ煮えてくる(写真2)とともに、ニンニクやゴマのにおいが部屋中に充満。スープは白みそと野菜がとけ合って濃厚な甘み。そこへ牛脂のコクが加わる。もつはいくらかんでもかみきれないガムのよう。わいわいがやがや、おかげで食卓がいっぺんに若やいだ。
エヘンとのどにひっかかるぐらい強烈なスープが煮詰まったところへ、待望のちゃんぽんめんを投入。太いめんにスープが絡み、これはこれで別腹におさまった。まだ若いぞ。

★★★★(栄養満点、強烈無比)