かき末「かき定食」

久しぶりに「かき末」ののれんをくぐった。初任地、先輩とよく行ったものだ。あれから30数年、冬場になるとここのカキが恋しくなる。唐破風を備えた格調ある店構え(写真1)も味も、そのころと変わらない。
創業は1926(大正15)年。内陸の福知山に初めてカキ料理を紹介した。当時は「広島出張」と称し、店主以下全員が広島からやって来て冬場だけ営業した。福知山在住の従業員が増えた今も、オープンは10月中旬〜3月末の期間限定だ。
お決まりは「定食」(4500円)。少々値は張るが、酢ガキに始まり、カキフライ、どてなべ、カキめしとフルコースでカキをたんのうできる。
どてなべ(写真2)の特製合わせみそは甘すぎず、辛すぎず。カキはなべが煮える前、他の具より先に入れると、カキの身が縮まず、ふっくらたけると仲居さんが教えてくれた。注文ごとに釜でたき上げるカキめし(写真3)は絶品。のり、ワサビにだしをかけて食す。うまさにのけぞる。
このほか、12月末までの限定で「殻付き生ガキ」(3個1000円、写真4)が食べられる。毎朝、広島から生きたまま陸送されてくる。レモンをしぼり、ツルンと口の中へ。「海のミルク」と呼ばれるカキの滋味がいっぱいに広がる。
「定食」は2人前から。カキめしが余れば、持ち帰り用パックに詰めてくれる。他に一品料理も。福知山市西中ノ町。


★★★★★(必食絶品)