2006-01-01から1年間の記事一覧

京乃四季「晦日そば」

朝から車を飛ばして伏見まで往復30km。なじみのそば屋「京乃四季」に注文してあった「晦日(みそか)そば」を取りに行った。いつもそばに金がありますように、そばのように命が長くのびますように…いろいろ言われているが、とにかくめん好きにはこれを食べ…

ゆく年回顧

今年1年を振り返る。国の内外での出来事は新聞やテレビでやっているから、わが身を顧みよう。 と、あらためて考えてみると、なかなか思い浮かばない。おとといの夜何を食べたか、さえ出てこないのだから、1年分もの記憶をたぐるのは大抵ではない。 撮りた…

第九

ふだんクラシック音楽とはあまり縁のないほうだが、ベートーベンの「第九」だけは別だ。毎年この時期になると各地で演奏会が開かれるし、大みそかにはテレビでもやっている。 日本での「第九」初演は、1918(大正7)年に徳島県鳴門市の収容所で第一次大…

まつお「ちゃんぽん/皿うどん」

長崎ちゃんぽんと皿うどんの老舗。京都大農学部前という立地から大学の先生や学生が多い。昼時などは、店内がゼミ教室のような雰囲気になることもある。 ちゃんぽん(700円)は、つややかな太めん。滑らかなのど越しが売り。塩味のきいたスープに豚肉、イ…

化粧直し専用室

朝の地下鉄で向かいに座った若い女性が、小さな鏡をのぞき込んで化粧に余念がない。ざっと車内を見渡すと、2、3人が同じように顔をポンポンはたいたり、口を開けて紅を塗っていた。 電車内での化粧は「行儀が悪い」とひんしゅくを買い、ひところよりずいぶ…

捨てる

宵の地下鉄で、勤め帰りの中年男性2人が大きな声で話している。「ぼくが今の部署へ来たのが5年前。もうその時からあったはずですが、一度も開いたことがない。そんなものを残しておく必要があるんでしょうかね」。一方の人がまくしたてている。 勤め先の保…

塞翁が馬

きのうの新聞で、1本の訃報記事が目にとまった。西塚十勝(にしづか・とかち)さん。元日本中央競馬会の調教師で、23日に老衰のため94歳で亡くなった。 元調教師とはいえ、よほどの競馬ファン以外はその名を知らないはずだ。まして現役を退いて長い年月…

三太九郎

夕方、買い物に行くのに車のエンジンをかけたら、いきなりカーナビから「メリークリスマス! きょうは12月24日…」と女性の合成音声が流れ、びっくりした。さすが日本車、すごいと言うか、やり過ぎと言うか。 スーパーの広場では、学生の男声コーラスグル…

あかつき「ラーメン」

一乗寺と並ぶ京都ラーメンの激戦地、北白川で知られる人気店。とんこつと鶏がらを使ったいわゆる「こってりしょうゆ」系だが、見た目ほどべたつきはない。時間をかけて煮込み、かつおと昆布の関西風味を加えたスープは、まろやかさが売り物だ。 めんは卵を練…

師走の待合室で

朝の出がけに近所の医院へ。声が出にくいので、週に1回程度蒸気の吸入と薬をもらいに行っている。 朝一番というのに、2人がもう診察室で受診中。待合室にまだ2人。5番目だ。出勤途中で気がせくが、せっかく来たのだから待つしかない。 さあ次の番、とい…

おせち料理

高価な「正月おせち料理」が売れているらしい。デパートやスーパーをはじめ、最近ではネット通販などでも花盛りだが、どこも予約好調という。 広告のちらしや画面を見ると、彩り鮮やかに盛り付けられた重箱が並び、目にも華やか。京都の高級料亭やホテルの名…

「前の戦争」

「京都で『前の戦争』って言ったら、応仁の乱のことを指すんだよ」。先日、ある酒席でそんな話が出た。言い出したのは、東京の大企業から京都の会社へ出向で来ている役員さん。別の役員や地元会社の幹部も「へえ」「そうそう」などと相づちを打っている。 せ…

ロナウジーニョの色紙

来日したサッカーのブラジル代表、ロナウジーニョ選手が、日本サッカー協会に頼まれていじめ自殺や虐待が相次ぐ日本の子どもたちに激励のメッセージを贈ったそうだ。 「生きろ、生きろ、自殺なんかするな」「絶対に夢をあきらめるな。君の人生を精いっぱい生…

寅さんの電話

映画『男はつらいよ』が毎週、NHKの衛星テレビで放送され、楽しみに見ている。このシリーズ、作られたのは1969〜95年だが、登場する下町の風情や人情の機微は今も変わらない。 いつも目にとまるのが電話のシーンだ。「とらや」の茶の間でみんなが「…

竹邑庵太郎敦盛「あつもりそば」

難しい名前の店だ。「ちくゆうあんたろうあつもり」と読む。入り口に「そばハくすり」の看板が立つ。 名前の通り、いちおしメニューは「あつもりそば」。ゆで上がった熱々のそばをせいろに盛り、ひのきの箱に入れて運ばれてくる。ふたを開けるとパァーと湯気…

がんこおやじ「おやじ味噌」

「これ、おいしいでっせ。何にでも合いますよ」。同僚が、通販で取り寄せたという茶色いプラスチック容器をひとつくれた。 ラベルを見ると「ザ・調味料 おやじ味噌」。調味料にわざわざ定冠詞が付いている。製造・販売元は「㈱がんこおやじ」(東京)。どち…

手ごわし京都検定

京都に生まれ育ち、子どものころから歴史に興味を持っており、それなりに自信はあるほうだ。さきごろ行われた「第3回京都・観光文化検定試験」の全問題・解答例がきのうの新聞に出ていたので、最難関といわれる「1級」に挑戦してみた。 第1問「広隆寺の建…

喜代「お好み焼き/ねぎ焼き」

もう40年以上になると思う。かつてわが家に近い上京区の今出川新町で店を始め、いまは北区の堀川北大路で営業する。働き者で威勢のよいご主人と、しっかり者の奥さんでここまで店を盛り立ててきた。 最近、テレビや雑誌への登場が多い。俳優の高橋英樹さん…

今年の漢字

年末恒例の「今年の漢字」は「命」に決まったそうだ。「清水の舞台」の上で、森清範貫主が大きな筆で一気に書き上げた=写真=。最後の一画(縦棒)に力を込め、跳ね上げるような筆づかいが印象的だった。 たしかに、皇室の男児誕生からいじめ自殺、虐待死な…

シュプール号廃止

JR西日本が毎冬走らせていたスキー列車「シュプール号」が今季から姿を消した。一再ならずこの列車を利用していた者としては、愛惜の感ひとしおだ。 「シュプール号」はバブル全盛の1986(昭和61)年にスタート、最盛期は35万人ものスキー客を京阪…

ATMの隠し球

きのうの新聞広告を見て、驚いた。広告主は、コンビニにATMを設置しているセブン銀行。今月7日、栃木県内でATMごと強奪されたが、奪われた紙幣には特殊インクが付着しているというのだ。 広告によると、セブン銀行のATMは無理やり紙幣を抜き取ろう…

新進亭本店「白みそラーメン」

全国にラーメン数あれど「白みそ」を使ったラーメンは、ここの本店(京都市中京区)と高野店(左京区)だけだろう。 1961(昭和36)年の開業というから、京都のラーメン店の中でも老舗の部類に入る。当初は普通のみそラーメンを出していたが、京都らし…

どこまで続く知事逮捕

15人に1人の割で逮捕されている職業って、なーんだ? 暴力団、総会屋、高利貸し…そのどれでもない。正解は「知事」。 福島、和歌山に続いて、きのう宮崎県知事が逮捕された。全国で47人しかいない知事のうち3人が、この50日足らずの間に汚職でつかま…

京の豆腐

江戸中期に活躍した歌舞伎役者の二代目市川団十郎が「京のよきもの」として「水 水菜 女 染め物 みすや針 寺と豆腐に 黒木 松茸」を挙げている。「みすや針」は三条河原町にあった「三栖屋」の縫い針。「黒木」は大原女が売り歩いた薪のことだ。このふたつと…

ひげをそったMVP

日本ハムから巨人への移籍を表明した小笠原道大選手が、きのうの入団会見にトレードマークのひげをそって現れた。YGの帽子をかぶり、つるりとしたあごに手を当ててニンマリしている写真を見て、思わず松井選手(現ヤンキース)と見違えた。 「球界の紳士」…

救急救命装置

東京のJR新橋駅に救急救命装置が備えられていると聞いて、出張帰りに駅の構内を探してみた。乗降客の波に紛れて見つからず、駅員さんに尋ねた。当の駅員さんも「ウーン、どこだったかなあ」と一瞬戸惑ったものの、一緒に歩いて「あそこです」と教えてくれ…

人間ドック

1泊2日の人間ドックに行ってきた。たたけばあちこちからホコリが出てくる身、ずっと社内の簡易健診で済ませてきたが、親しい先輩に誘われて4、5年前からドックのお世話になっている。 この業界も年々過当競争になっているらしく、サービスは至れり尽くせ…

珍遊三条店「中華そば」

「珍遊(ちんゆう)」と言えば、京都ラーメンのオールドファンには懐かしい名前だろう。かつて一乗寺の叡電沿いにあった店は、背脂の浮いたこってりしょうゆ味の正統派で多くの客を集めた。同系統の「ますたに」よりさらにしょうゆの味が濃く、ごはんと一緒…

禁煙条例

嗜好品の中でも、たばこほど人によって好き嫌いが極端に分かれるものはないだろう。酒を飲まない人は多いが、他人が飲んでいることまでとやかく言う人は少ない。そこへいくと、たばこは吸うこと自体、他人に害毒を及ぼす元凶として嫌煙家たちから目の敵にさ…

マンガミュージアム

小学1、2年生のころだと思う。風邪で行った先の病院で、診察中に先生から「君は将来、何になりたいのや」と尋ねられたことがある。「漫画家」と答えたら、先生は聴診器の手を止めて「ほう。そんなら手塚ジムシて知ってるか」とこちらの顔をのぞき込んだ。…