喜代「お好み焼き/ねぎ焼き」

もう40年以上になると思う。かつてわが家に近い上京区今出川新町で店を始め、いまは北区の堀川北大路で営業する。働き者で威勢のよいご主人と、しっかり者の奥さんでここまで店を盛り立ててきた。
最近、テレビや雑誌への登場が多い。俳優の高橋英樹さんや作家の塩田丸男さんもこの店をごひいきらしい。アイデアマンのご主人が素材を選んで作り上げた味の数々が大勢の人を引きつけている。
店のイチオシは「すじねぎ焼き」(980円)。時間をかけて煮込んだすじ肉と九条ネギの取り合わせで、しょうゆ味がうまい。同じねぎ焼きでは「納豆もち」(900円)=写真=も外せない。名前のとおり納豆ともちのとろとろコンビ。焼き上げた上にマヨネーズを縦横にかけ、青のりを散らす。粘るもちに納豆が絡み、これまたしょうゆの香ばしさとよく合う。
目の前で慣れた手つきで焼き上げてくれるご主人に「なーんでこんなにおいしいの」と声をかけたら「家族で仲良く食べてもらうのが一番の味」とアジな答えが返ってきた。夕食どきに行くと満席で気ぜわしいから、少し前後にずらして行くとよい。
他に「ブッチャケ好み」(ミックスお好み焼き)、「メンタイもち」(ねぎ焼き)、「塩焼きそば」「えびマヨネーズ焼き」(鉄板焼き)などがおすすめだ。ねぎ焼きは軽いから、お好み焼きや焼きそば、鉄板焼きと組み合わせて、最後は焼きおにぎりあたりで締めるとちょうどよい。
 
 ★★★★★(こだわりとアイデアの味)