2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

釜たけうどん「ちく玉天ぶっかけ」

先日紹介した大阪・千日前「千とせ」の斜め向かい。狭い通りをはさんで、南向きの列が「千とせ」、北向きに並んでいるのが「釜たけ」の行列だ(写真1)。 看板には「讃岐手打ち」とある。一番人気は「ちく玉天ぶっかけ」(680円、写真2)。 極太のうど…

証人喚問

「事実は小説より奇なり」という言葉がある。数多くの事件を取材していると、時に思わぬ展開に驚かされることがある。「まるで小説の世界だ」「こんなことって、本当にあるのか」と想像を超える事態に戸惑いさえ覚える。 少し意味合いは異なるが、きのう衆院…

千とせ「肉吸い」

うどんからうどんを抜いたら、何になる? そう、だしつゆだけの「吸い物」だ。 その昔、そんなギャグのような注文をした客がいた。吉本新喜劇の「とぼけ」役で人気を集めた花紀京。二日酔いの昼食にやって来て「肉うどんのうどん抜き」を頼んだという。名物…

笑顔検出カメラ

みんながかしこまって写真機の前に並ぶ。写真屋さんが大きな声で「写しますよ。ハイ、チーズ!」。そのとき、どこにまぎれていたのか寅さんが「ハイ、バター」。一同、思わず噴き出して大爆笑。映画『男はつらいよ』に、確かそんなシーンがあった。 自然な笑…

西安食坊白梅町店「牛肉玉帯麺」

かつて「長安」と呼ばれた中国の古都・西安は、京都市と姉妹都市盟約を結んでいる。両市の交流は多方面で活発に行われているが、料理となると意外なほど知られていない。そんな西安料理を京都市内で味わえる数少ない店が「西安食坊」(写真1)だ。 中国人シ…

「やっぱり」と「まさか」

金大中氏拉致事件の再調査報告書が、きのう韓国の政府機関から発表された。目をむくような新事実はなく、これまで日本の捜査当局がおよそ描いてきた構図の範囲内だとされる。 事件は、やっぱり韓国中央情報部(KCIA)による組織的で計画的な犯行だった。…

曽爾高原温泉「お亀の湯」

オープンは3年前。名前は、曽爾高原の中心で、美人伝説の残る「お亀池」にちなむ。 湯は、ナトリウム炭酸水素塩温泉。「お亀さん」のような美肌効果が売りだ。 「木の浴室」「石の浴室」の2種類があり、毎週木曜日に男女を入れ替えている。どちらもほぼ同…

新宅本店「田舎そば/おろしそば」

曽爾村から名張市へ抜ける県道のわき、高台にある。元は村のよろず屋さん。外見も普通の民家で、トレードマークの大きな黄色いのれんがなければ、通り過ぎてしまう(写真1)。「黄色いのれん」は店の呼び名でもある。 そばは約7年前に始めた。冷たいそばだ…

曽爾高原

曽爾(そに)高原は、奈良県の東北端、三重県と境を接する。倶留尊山(くろそやま、1038m)の西側斜面に広がる約40ha。この季節は、草原の一面をススキが覆う。 中心の「お亀池」を巡る遊歩道を行く。正面になだらかな倶留尊山、亀山峠。後ろを振り返…

「室町」の復権

小さいときから歴史が好きだった。小学4年生のころ、林間学校で吉野へ行ってからは南朝の忠臣楠木正成、正行父子の「ファン」になった。その分、敵の足利尊氏が憎く思えて仕方なかった。「花の御所」跡の近くで育ちながら、室町幕府には親しみが持てなかっ…

忘己利他

きのうに続いて、新聞大会での話をもうひとつ。天台座主、半田孝淳さんが記念講演「宗教者からみた世界平和」の中で紹介した古今の宗教者二人の言葉が印象に残った。 ひとつは、伝教大師(最澄)の「忘己利他」(もうこりた)。「己を忘れて他を利するは慈悲…

言葉のタネ

作詞家の阿木燿子(あき・ようこ)さんの話を聴く機会があった。先日、長野市であった新聞大会での1コマ、地元生まれの阿木さんが昼食会のゲストスピーカーに招かれた=写真。 聴衆は全国の新聞社幹部約550人。平均57、8歳、ほぼ全員が男性だ。冒頭、…

そばざんまい

2泊3日の長野出張にかこつけて、現地で計8杯のそばを食べてきた。 名の通った専門店あり、パーティー会場の出店あり、駅の立ち食いあり…店はいろいろ、味もいろいろ。「そば王国」をたんのうした。 「そば時や月の信濃の善光寺」(一茶) ◇そば蔵(写真1…

永谷園「カレー鍋 和風」

数あるなべ料理の中で、これまでありそうで、なかったのが「カレーなべ」。なべは日本の家庭料理の定番。カレーはこれまた子どもから大人まで日本人の大好きな味。これまでなかったのが不思議なくらいだ。 ひとことで言えば、カレーうどんのうどん抜き。その…

「ええじゃないか」では済まぬ

JR京都駅の売店で一番よく売れる土産物は、なーんだ? もう20年ほど前になるが、調べたことがある。生八つ橋? 京漬物? ブー、ブーッ。正解は、赤福餅(あかふくもち)。なんと伊勢の名物が、観光京都の玄関口でナンバーワンの人気を占めていた。 「赤…

木簡の誓い

滋賀県西浅井町で、おもしろい木簡が見つかったらしい。「私は絶対盗みをしません」。平安時代の運送業者が神社に納めた誓いの文書だという。 琵琶湖最北端の「塩津港遺跡」で、神社の堀跡から55本の木簡が出土した。うち文字が読み取れたのは5本。どれも…

萬来軒「中華そば」

ことしで33年になるそうだ。盛衰の激しいこの世界では老舗の部類に入るだろう。 取り立てて言う個性があるわけではない。品書きに「中華そば」とあるとおり、ごく普通のラーメンだ。 鶏がらベースのしょうゆ味。めんは中細ストレート。分厚いチャーシュー…

あきれた「ずる休み」

親族が死んだと偽って「ずる休み」−冗談や漫画の世界の話だと思っていたら、本当にそんなことをしている公務員がいた。それも1人や2人ではない。5年間で43人もの京都市職員がこんな不正で忌引休暇を取っていたというのだから、あきれてしまった。 49…

玉木屋「秋刀魚さんしょ煮」

うまいのは当たり前。それをさりげなく、コンスタントに出すところが老舗だ。 東京・新橋「玉木屋」は、天明2(1782)年の創業。つくだ煮、煮豆で知られ、旬の魚を使った季節の味わいには、いつ食べても舌を巻く。 絵は、知人からいただいた「秋刀魚さ…

トヨタ博物館「ビーフカレー」

「世界のトヨタ」は車だけではない。カレーまで売っている。 もとは、トヨタ博物館(愛知県長久手町)のレストランで出しているメニューのひとつ。来館者の人気が高く、レトルトにして発売されるようになったという。 買えるのは、博物館の売店かトヨタディ…

東農園「紀州五代梅 心」

たかが梅干しと侮ってはいけない。ひとつずつ丁寧に包装され、きれいな木箱の中に納まった風情は、さながら上菓子のよう(写真1)。気品さえ漂う。 製造元の東農園(和歌山県みなべ町)は、創業170年という紀州梅の老舗。「心」は、その中で贈答用に特製…

メディアスクラム

社会的に関心の高い事件や事故の現場に記者が殺到、大勢で関係者に強圧的な取材をする行為を「メディアスクラム」と呼ぶ。「集団的過熱取材」などと訳され、日本新聞協会などでは人権侵害の恐れがあるとして、その自粛と取材の適正化を申し合わせている。 連…

「コテコテ論序説」

「大阪」と聞いて、一番先に浮かぶイメージは? 吉本新喜劇、くいだおれ、道頓堀、川に飛び込む阪神ファン…「コテコテ」と称される大阪のシンボルの多くが、ミナミのなんば界わいに集中していることに気づく。 上田賢一『コテコテ論序説』(新潮新書)には「…

フードマイレージ

「フードマイレージ」という言葉を、先日読んだ『ウナギ』(井田徹治著)で初めて知った。食べ物を産地から運んでくる際に排出する二酸化炭素の量を数値化し、グローバル化時代の「食」が環境に与える影響を考えようという試みだ。 数字は、輸送距離(km)に…

メディアの冒険

10月に入り、全国紙が相次いで従来の殻を破って、新しい模索を始めた。 ひとつは、産経新聞がマイクロソフト社と提携して開いたニュースサイト「MSN産経ニュース」。取材した情報は新聞の締め切り時間を待たず、ネットへ優先的に流す「ウェブ・ファース…

北海道農水産「旭川ラーメン」

北海道のラーメンは、札幌だけじゃない。出どこが定かでないが、旭川には市民1330人に1軒の割でラーメン店があるそうな。札幌で2350人に1軒というから、地元ファンの間に「旭川こそ道内一のラーメン王国」とする声が強いのもうなずける。 地域だけ…

「ウナギ」

ウナギは日本人の好物だ。なんと世界の7割をこの島国で消費しているそうだ。そう言えば、かつては土用丑(うし)など年に数えるほどしか食べなかったのに、いまでは食べたいと思えば、スーパーやコンビニで年中安いかば焼きやウナギ弁当を売っている。 「こ…