あきれた「ずる休み」

親族が死んだと偽って「ずる休み」−冗談や漫画の世界の話だと思っていたら、本当にそんなことをしている公務員がいた。それも1人や2人ではない。5年間で43人もの京都市職員がこんな不正で忌引休暇を取っていたというのだから、あきれてしまった。
49歳の女性消防職員は5年間で12回、43歳の男性区役所職員は10回も不正取得をしていたという。職員の無軌道ぶりもさることながら、上司も不審に思わなかったのだろうか。
市の規程では、配偶者や父母、子に不幸があった場合は7日、祖父母や兄弟姉妹なら3日、おじ、おばは1日などと有給の「服喪休暇」を定めている。火急の場合などを考慮して、故人の氏名や本人との続柄、葬儀日程などの細かい申告は義務付けておらず、親族の死亡と休暇日数を申請するだけで認められるという。
不正はそんな善意を踏みにじって行われた。ばれやすい配偶者や子は避け、確認されにくい「おじ」や「おば」を使うケースが多かったそうだ。よくもこれだけ知恵が回るものだと思う。
市は43人に対し、程度によって停職、減給、戒告などの処分にし、不正取得分の給与を返還させるという。当たり前だ。市幹部は議会で「他の自治体に例のない踏み込んだ調査で厳しく処分した」と発言したそうだが、市民感覚では到底「厳しい」とは思えない。
さもしくも親族を「殺して」まで公務を休みたかった連中ではないか。無理して復職などさせず、この際、永久にゆっくり休ませてやったらどうか。