新宅本店「田舎そば/おろしそば」

曽爾村から名張市へ抜ける県道のわき、高台にある。元は村のよろず屋さん。外見も普通の民家で、トレードマークの大きな黄色いのれんがなければ、通り過ぎてしまう(写真1)。「黄色いのれん」は店の呼び名でもある。
そばは約7年前に始めた。冷たいそばだけで、すべて手打ちの十割。せいろ、田舎の2種類で、それぞれにおろし、山かけなどもできる。店内には当日使うそば粉の産地が表示されている。この日は、せいろが長野産、田舎が福井産とのことだった。
午後1時過ぎというのに、もうせいろは売り切れ。まずは田舎そば(700円、写真2)をいただいた。簀(す)の上に盛られたそばは細切りで、適度な弾力。泡立ったように見えたそばちょこのつゆには、大根おろしが入っていた。
大根の辛味が、濃いめのつゆとほんのり甘いそばの風味に合わさって絶妙のバランス。満席で10分ほど待たされた分、一気にすすり込んだ。
勢いに乗って、お次は田舎おろしそば(900円、写真3)。こちらは、つゆに入ったそばの上に大根おろしがかかっている。つゆがやや薄めで、前者より食べ口がややマイルド。おとなしい印象を受けた。
神棚や仏壇のある座敷でそばをすすっていると、まるで親せきの家に来たよう。たたきにおりると、地酒の販売コーナーもある。奈良県曽爾村伊賀見。


★★★★★(とろとろのそば湯もおすすめ)