曽爾高原

曽爾(そに)高原は、奈良県の東北端、三重県と境を接する。倶留尊山(くろそやま、1038m)の西側斜面に広がる約40ha。この季節は、草原の一面をススキが覆う。
中心の「お亀池」を巡る遊歩道を行く。正面になだらかな倶留尊山、亀山峠。後ろを振り返ると特異な山容で国の天然記念物に指定されている鎧岳(よろいだけ)、兜岳(かぶとだけ)。山あいを秋風が渡るたびに、ススキが右に、左に揺れ、顔や肩をなでる。
白い穂が逆光に輝き、時に金色、時に銀色に変わる。雄大な山並みを背景に、千変万化する美しい穂波を描きたかったが、見事に失敗した。躍動する穂先の色も形もとらえられない。方角をかえて2枚挑戦したが、どちらも「トウモロコシ畑」になってしまった。ああ。