社長、お辞めなさい

「やっぱり」というか「それにしても」というか、どうにも割り切れない。
関西テレビ社長の進退だ。役員報酬を3カ月間30%カットするという。えー、まだ3カ月も居座るの?しかも7割も報酬をもらって。それどころか、どうやらこれで「みそぎ」を済ませて続投のおつもりらしい。
データは架空、コメントはねつ造、写真は別人…ずさんな番組づくりが明らかになった。いくら「面白くなければ、テレビじゃない」といっても、これはひどすぎる。スポンサーが撤退するのも無理はない。番組の打ち切りは当然。ねつ造に携わった関係者への厳しい処分も当たり前だ。
もっとも、いちばん責任を負うべきは経営トップである。「情報」は、食品のように生命や健康に直接かかわるものではない。しかし、公正で円滑な情報の流通が健全な市民社会に欠かせないことは、戦時下のマスコミを持ち出すまでもなかろう。憲法で言論・表現の自由が保障されているのもこの一点に尽きる。
「知らなかった」「下に任せている」では通らない。たとえそれが実態であっても、ならばなおさらその責任は重い。ふだんから現場の空気や実態を知らずして、なにが経営だ。
権力と闘い、不正や疑惑を取り上げるのがマスコミだ。「他人に厳しく、自分に甘い」では困る。事実関係の究明や監督官庁の判断を待つまでもなく、辞任するのが道理というものだ。