うどんや風一夜薬本舗「しょうが飴」

近所のスーパーで、おもしろい「しょうが飴(あめ)」を見つけた。
発売元の名前が変わっている。「うどんや風一夜薬(かぜいちやくすり)本舗」。所在地は、大阪市東住吉区。1876(明治9)年創業。医薬品製造、食品製造、漢方専門薬局と「間口」の広い会社だ。
戦前の大阪では、風邪をひいたら医者に行かずにうどん屋へ駆け込んだそうだ。熱々のうどんをかき込み、しょうがで作ったここの薬を飲む。薬は、うどん屋さんで売られていた。
早期の風邪には、消化がよく栄養のあるうどんで体をあたため、漢方で「百邪」をはらうとされるしょうが薬を飲んで、さっとひと晩寝るのが一番−。休みを惜しんで働いた商人の街、うどんに目のない食い倒れの街、いかにも大阪らしい風邪の撃退法ではないか。
そのしょうがを練り込んで作ったのが、この飴。70gの袋入りで368円。ビー玉ほどの大きさで、13個入っていた。口の中をさわやかにし、のどをすっきりさせるという。
1粒口に入れる。甘味はない。気のせいか一瞬薬のにおいを感じたが、やがて舌の上にしょうがの強烈な辛さと香りが広がった。ヒーッ、ビリビリッ。口中がしびれにしびれた。
袋に、風邪を下界にまく青鬼に向かって矢を放つ若者が描かれている。薬ではないが、この激辛には邪鬼も降参だろう。
 
 ★★★★★(必殺、激辛しょうが味)