京都五行「焦がし醤油麺」

出てきた鉢の中を見て、思わず「ほぅー」と声が出た。真っ黒いスープ、鉢のへりには焦げた粉のようなものが付着している。香ばしさを通り越して、焦げ臭ささえ漂う。なんともインパクトの強いラーメンだ。
「焦がし」と呼ばれるこの技法、詳しい「秘密」は分からないが、ラードのようなものを焦がしてスープに入れているらしい。既存のラーメンにない香ばしさとコク、とのふれこみだ。
大きなちりれんげでスープをひとすくい。脂っこさとしょうゆの濃さにびっくり。中細ストレートのめんも黒く染まっている。具は、大ぶりのチャーシュー1枚にナルト、キャベツなど。ランチタイムは、これに五穀米のごはん、山芋とろろ、漬物が付く。
一風堂」と同じ飲食事業会社(博多市)が経営するチェーン店で、04年末に開店した。町家風の店舗は、明治時代に米国の大富豪と国際結婚した「モルガンお雪」の住居跡に立つ。正統派の博多ラーメンを追求する一風堂に対し、こちらは従来にない新手のラーメンをめざす。
確かに「これまで食べたことのない味」には違いないが、このアクの強さについていけるかどうか。癖になるか、二度と行かないか、好みのはっきり分かれるラーメンと言える。850円。他に、焦がし味噌麺、塩麺、つけ麺など。京都市中京区柳馬場通錦小路上ル。

★★★(黒いニューウエーブ)