魚よし「土鍋鯛めし」

瀬戸内の魚の王様は、やはりタイだろう。明石、鳴門、児島、坂出…どこもタイ料理が盛んだ。
丸亀の「魚よし」(写真①)は創業半世紀。魚屋から始めたという老舗で、天然魚を使った讃岐の郷土料理が売り物だ。名物は、なんと言っても土なべから炊き上げる「鯛めし」。あらかじめ予約しておくと、その時間に合わせて、炊きたてのなべを出してくれる。
今回は2度目だったので、その要領も心得たもの。セットの刺し身、天ぷらの後、熱々の土なべが運ばれてきた。ふたを開けると、立派なマダイがごはんの上にデンと横たわっている(写真②、4人前)。
タイは骨が多いので、女性従業員が慣れた手つきで身をほぐしてくれる。途中、胸ビレ近くから1cm足らずの小さな魚の形をした骨を取り出して見せてくれた。「タイによく似てるでしょ。タイの中のタイ骨。鯛中鯛(たいのたい)と呼ばれ、昔から縁起物として財布に入れたりします」。左右1対で、なべのふたの上に並べて記念撮影を(写真③)。
さて、肝心の味。特製のだしを使って炊き込まれたごはんはふっくらとして、タイの風味も加わって上品な味わい。ほぐされたタイの白身もほかほかとして、ほのかな甘みを感じた。セットで1人前3150円。香川県丸亀市中府町。

★★★★★(ぜひ、おすすめしタイ)