有馬温泉「金の湯」「銀の湯」

有馬温泉は、道後、白浜とともに「日本三古泉」に数えられ、「関西の奥座敷」として名高い。温泉街の中にある外湯「金の湯」「銀の湯」は神戸市営の日帰り温泉。1泊数万円もする高級旅館が並ぶ中、お手軽料金で名湯が楽しめる施設としてありがたい。
「金の湯」は、以前あった市営の有馬温泉会館を建て替えて2002年にオープンした。きれいな2階建てで、玄関前に「日本第一神霊泉」の石柱が立つ(写真1)。
メーンは、有馬名物の「金泉」。含鉄ナトリウム塩化物強塩泉で、鉄分が酸化した赤茶色の湯が特色だ。誤ってタオルをつけようものなら、たちまちレンガ色に染まってしまうほど。
においはほとんどないが、なめると少し塩辛い。効能は神経痛、筋肉痛、慢性消化器病など。湯ぶねは熱めとぬるめの2つがあり、どちらも「かけ流し」。洗い場も広く、こまめに巡回清掃していて清潔だ。
「金の湯」から温泉寺を抜けて坂道をのぼったところが「銀の湯」(写真2)。開業は01年。「金の湯」の姉妹館らしい外観で平屋建て、浴槽は1つ。こちらは「銀泉」と呼ばれる炭酸泉、ラジウム泉だ。無色無臭の湯で、さっぱりした印象。ろ過方式は循環式。神経痛や筋肉痛のほか、動脈硬化症、胆石症、痛風などにも効能があるらしい。
「金の湯」近くには無料の「太閤の足湯」もある(写真3)。「金」に始まり、温泉街を散策しながら「銀」へ。最後は足湯で締め。半日のんびりで1000円(金の湯、銀の湯、資料館共通)は安い。どちらかに露天風呂もあれば、申し分ないのだが。神戸市北区有馬町。


おふろ  ★★★★
手軽さ  ★★★★★
情 緒  ★★★★★