HEIAN

かつて京都の高校球児にとって「HEIAN」のユニホームは、ある種のあこがれを感じさせたものだ。白地に紺色の極太ゴシック。伝統校らしく、シンプルでかつ力感のあるデザインだった。
そのユニホームが、いまOBやオールドファンをやきもきさせている。来春から校名が「龍谷大学付属平安高校」に変わるためだ。付属化が発表された今春以降「HEIAN」のユニホームも変わるのかどうか、関心を集め、いまも新聞社への投書が続いている。
さすが春夏合わせて64回、全国最多の甲子園出場を誇る名門校だ。付属化による教学面より野球のユニホームが話題になるところがすごい。
少子化時代を迎え、私立各校は厳しい生き残り競争に直面している。大学傘下の系列化、付属化はその流れに沿うものだ。かつてのライバル浪商は大体大浪商に、中京商中京大中京になっている。平安が、同じ宗門の龍谷大と合体するのも当然のなりゆきと言える。
龍谷大の名はそでに。胸のHEIANは残して」「校名を変えた学校はたいてい弱くなる」…外野の声はさまざまだ。学校にとってはありがたいような、迷惑なようなところだろうが、いまだ平安人気衰えずを喜ぶべきだろう。
京都では、いまでも平安が甲子園に出るのと他校が出るのとでは応援広告の数が違うといわれる。新しいユニホームはいずれ発表されるだろうが、これらの「平安びいき」を失望させないよう十分知恵を絞ってもらいたい。