アジャンタ総本家「とりなすかりぃ」

札幌発祥のスープカレーは35年前、ここから始まったという。「アジャンタカラー」と呼ばれる赤、オレンジ色を塗った派手な外観、外壁に躍る「薬食同根…」の大きな文字が「元祖」の自信と強い自己主張をうかがわせる(写真1)。
札幌中心部からタクシーで約2千円、わざわざ訪ねてきたのに、入り口に「本日、野菜かりぃ売り切れました」の張り紙。従業員に聞いたら「できるのは、とりかりぃ、とりなすかりぃ…」。げぇー、鶏ばっかりやんか!!!
と言って、いまさら他に行くあてなし。チキン忌避のわが宗旨に反するが、腹をくくるほかない。「とりなすかりぃ!」(1200円、写真2)。神様、仏様、どうかお許しを−。
大ぶりのナス、ピーマンの下をスプーンで探る。大きな骨付きチキンレッグが2本、ゴロッと出てきた。恐る恐る皿の隅へお引き取り願って、カレースープをすくう。顔に近づけるだけで、強い香辛料の香りが目と鼻をつく。しかし、それがなんとも心地よい。
うまい、さすがだ。外壁の宣伝文どおり「30種類のスパイスと15種類の漢方薬を配合」かどうかは確かめようがないが、この複雑な味と香りはホンモノに違いない。野菜類の甘みも出て、さほど辛くはなく、あっさりした食べ口の中に深いコクを感じた。
他店の類似カレーとは一線を画し「薬膳カリィ」と称して消化促進、滋養強壮、健胃などの薬効をうたう。添加物、化学調味料は使わず、食材はすべて道内産、野菜は契約農家から取り寄せているそうだ。他に、ラム肉を使った「かしみーるかりぃ」など。札幌市東区北23条東20丁目。

★★★★(オー、マイゴッド!)