青塚食堂「ニシン焼定食」

なかにし礼作詞の「石狩挽歌」を聴いて、かねてニシン漁の「番屋」へ行ってみたいと思っていた。小樽中心部からバスで約20分、祝津海岸へ。歌に出てくるかつての「にしん御殿」や番屋の廃屋を見ることができた。
そのバス停近くで朝食に入ったのが「民宿 青塚食堂」(写真1)。元は、ニシンを揚げる漁師たちに食事を出していたそうだ。
広い店内にテーブル席がズラリと並ぶが、朝が早いせいか他に客の姿はなし。メニューは定食、どんぶり、めん類、なんでもあるが、せっかくの本場だ。迷わず「ニシン焼定食」(1260円、写真2)にした。
朝7時からの営業だが、この日は準備ができていなかったのか品出しまでに30分近くもかかった。途中で従業員の女性が申し訳なさそうに「ごめんなさいね。これでも食べててください」と、すり身揚げを2つ持ってきてくれた。熱々の揚げたてで、うまかった。
やがて出てきたニシンを見て、びっくり。体長20cm以上もの特大級。京都のにしんそばしか知らないので、思わず声が出た。聞けば、地物はもう少し小ぶりで、春から初夏が旬だという。夏場のニシンは、アラスカ産で大きいのだそうだ。
炭火で香ばしく焼き上げられたニシンは身がホクホク。やや淡白に感じられたが、身離れがよく、大根おろしと一緒においしくいただいた。ホタテのみそ汁、イカの塩辛、昆布の酢の物も付いて、ボリューム満点。ホッケ焼、ウニ丼、ホタテ丼なども評判が高い。小樽市祝津3丁目210。

★★★★(豪快、北海の幸)