二千円札やーい

京都府が音頭をとって、不人気の二千円札をもっと使おうというキャンペーンを始めるそうだ。府は2008年に「源氏物語千年記念事業」を計画しており、裏面に源氏物語絵巻の図柄が使われている二千円札をもっと多くの人に手にしてもらい、記念事業をアピールしたいとの思惑らしい。
紫式部日記の1008(寛弘5)年11月1日の項に源氏物語の主人公・光源氏についての記述があるそうで、2年後の2008年はそれから数えて1000年にあたる。だれの発案か、よくもまあ見つけ出してきたものだ。多少こじつけの感もあるが、この際「まちおこし」「地域活性化」に使えるものは何でも使えということなのだろう。
期待される肝心の二千円札だが、千円札と紛らわしく、自販機でも使える機種が限られていることなどから敬遠されがちで、発行後6年たっても紙幣100枚に1.6枚の割でしか出回っていないという。そう言えば、わが財布の中でもめったにお目にかからない。お札の表に守礼門が使われている沖縄では昨年、行政や金融機関が中心になって「流通促進委員会」を結成。給料や経費の支払い、釣り銭などで積極的に二千円札を使う運動を進めている。京都府もこの運動と連携しながら「京都らしいPRの仕方で」と計画している。
具体的な運動の中身はまだ決まっていない。お堅い役所ではなかなかよい知恵が出ないだろうから、ここはひとつ一般から広くアイデアを公募してみることだ。デパートや商店街とタイアップして二千円札なら端数を切り捨てるとか、魅力的な二千円ショップを作るとか、いろんなアイデアが出るかもしれない。
二千円札源氏物語に限らず、十円玉の平等院、一万円札の鳳凰平等院)と3種の通貨に京都、それも宇治にゆかりのものがデザインに使われている。「千年事業」にこだわらず、広く京都をアピールできる機会になればと思う。当選者の賞金は、もちろん、二千円の新札だ。