一番七条新町店「かつおのたたき」

品が出てきた時、一瞬何かと思った。皿一面が緑、その上に黄色い網がかかっている−見たとこ、そんな印象だ。
居酒屋チェーン「一番」の七条新町店(京都市下京区)。どこの「一番」でもこんな「かつおのたたき」かと目を丸くして尋ねたら、大将が「うちの店だけ。高知の漁師さんから教わったんです」と答えてくれた。
一面の緑は刻みネギとカイワレ。黄色い網目はマヨネーズ。この下にたっぷりニンニクと酢しょうゆのかかったかつおのたたきが隠れている。マヨネーズがネギやニンニクのくさみをやわらげ、マイルドな食べ口になっている。ニオイの苦手な女性や子どもに受けるかもしれない。
お好み焼きや冷麺(冷やし中華)にマヨネーズをかけるのは、おおむね名古屋以西らしい。京都では店や好みによってまちまちだが、さすがにかつおのたたきにかけるのはここだけではないか。以前、高知の専門店で食べた時も見かけなかった。たとえ、本場でそうする店があったとしても新しい食べ方に違いない。
変わりダネ、異端視扱いは承知の上。「どうです、いけるでしょ」と大将は自信たっぷりだ。
★★★(何事もチャレンジだぁ)