散髪の記

ひと月半ぶりぐらいで髪の毛を切りに行った。今回が2回目になる店だ。
最近、理髪店、美容院と名乗る店が少なくなり、カットハウス、ヘアサロンなどとカタカナで書かれている所が多い。まぎらわしい時は、店頭に赤白青のらせん状の回転灯が回っているか、客は男女どちらが多いか、などで判断すると分かりやすい。
行った店は美容院。娘の紹介だったから、間違いない。店内を見渡せば、女性客ばかり。慣れないないうちは女湯に入るみたいで、いつも少々勇気が要る。
美容院はここが初めてではない。白髪が気になり始めた10年ほど前、今で言う「ちょいモテおやじ」をめざして理髪店から転向した。以来、ずっと美容院派。何回かに1回は「プチ・パーマ」もかける。今回もかけた。おかげで強い寝グセがついても、すぐ直る。
ただ、生来の義理堅さゆえ、一度行くとなかなか他へ移りにくい。今度も、家族が1人抜け、2人抜け、だれも前の店には行かなくなったため、1人では行きづらくなり、やむを得ず前回から替わったのだ。
わが娘たちを見ていると、ひょいひょいと気安く店を替えている。若い男性の中にも、店を替えてヘアスタイルが替わると気分転換になってよいという積極派が少なくないようだ。
子どものころの理髪店以来、今度の店でまだ6軒目。平均すると、だいたい10年間は同じ店に行っていることになる。
で今度の店、肝心の仕上がりは、可もなく不可もなし。これで、これから10年間、また通うことになるのだろうか。「ちょいモテおやじ」には、なかなかなれそうにない。