朝日よ、またか

朝日新聞は、おかしな新聞だ。おしなべて、ふだんは立派なことを言い、良質な記事も多いのだが、忘れたころにドカーンととんでもない不祥事をしでかす。
けさ、朝日新聞甲府総局の記者(27歳)が酒気帯び運転で警察に検挙されていたことが明るみに出た。非番の夜から翌朝にかけて飲食店や自宅で焼酎やビールを飲んだ後、自宅近くで乗用車を運転しているところを警察の検問にかかり、飲酒が発覚したという。
全国で「飲酒運転」の問題がこれだけ大きく取り上げられているさなかだ。記者は警察担当で、同紙の飲酒運転撲滅キャンペーンにも携わっていたそうだ。自分が飲酒運転で検挙された同じ日に発覚した地元町教育長の酒気帯び運転の記事も書いていたというのだから、開いた口がふさがらない。よくもまあ、ぬけぬけと他人の不始末が書けたものだ。
朝刊に不祥事を伝える記事とともに東京本社編集局長のおわびが3段抜きで掲載されている。「読者の皆さまの信頼を裏切る行為としか言いようがありません」。当たり前だ。読者は、不祥事のたびに何度同じようなコメントを聞かされるのか。
伊藤律」や「サンゴ」を持ち出すまでもなく、最近でも長野県知事との一問一答でっち上げ、盗聴容疑で摘発されたサラ金業者からのウラ広告費受領疑惑、交通違反を犯しながら摘発した警察官に「記事にしてやる」などと暴言を吐いたり、「(違反を犯した)通行規制のほうがおかしい」と開き直ったり…他にも強制わいせつ、傷害など数え上げればキリがない。
不祥事はどこの企業にもあり得るし、他人事とは思えない。それにしてもあきれるほどの不祥事がこれほど朝日に集中して起きるのは、なぜだろう。長野事件の後、社内に「高い見識と志を持った記者を育てる」ために「朝日ジャーナリスト学校」が開設された。自社の新人記者や中堅記者らを対象にした研修・教育の場だけでなく、ジャーナリスト志望の学生や他社の記者らにも開放するという。しかし、現状の朝日には「ジャーナリスト学校」以前に、まず「社会人学校」が必要ではないか。