名島亭「博多豚骨ラーメン」

福岡みやげに、長浜ラーメンの人気店「名島亭(なじまてい)」の「博多豚骨ラーメン」(4食入り)をいただいた。名島亭は、長浜(福岡市)と久留米で12年間修業を積んだという店主が1987年に開店。とんこつラーメンの2大拠点を融合した味として、いまや1日に2度訪れる客もあるほどの行列店らしい。
とんこつラーメンと言えば、すぐ博多と思いがちだが、実は同じ福岡県ながら南部の久留米が発祥地とされる。久留米では太平洋戦争前夜、横浜風の支那そばに独自のとんこつを加えた屋台が出現、これをベースに戦後まもなく濃厚な白濁スープがつくられ、九州各地に広まったそうだ。
一方の長浜ラーメンは、福岡の魚市場で働く人たちを相手に発展した。とんこつの白いスープながら、さっぱりとした後口が特徴で、ついお替わり(替え玉)をしてしまう。厳密に言うと「博多ラーメン」は、この両者の中間とも言えるが、その知名度から「とんこつ=博多」と思い込んでいる人は多い。3者の私的分類を試みると、めんは久留米>博多>長浜の順に細く、硬くなる。スープのとんこつはこの順にあっさりと、白く純化していく。
いただいた「博多豚骨ラーメン」は、さしずめこの久留米と長浜の中間、名前の通り博多風と言える。めんは久留米風の中細ストレート。とんこつスープは、白い長浜より黄色っぽく、味はかなり濃厚。と言っても、最後まで飲み通すと後口は意外にさっぱりとして長浜の面影もうかがわせる。まさに両者折衷のラーメンといった印象だ。
パッケージの説明には、ゆで時間の目安が約2分と書かれているが、1分半でも長すぎる。細い九州系のラーメンは硬めがうまい。
 
★★★★(久留米+長浜÷2=博多?)