インデアンカレー朝日店「インデアンカレー」

かつて「インデアン」と呼ばれた米国先住民族がカレーライスを好んだのかどうか知らないが、インデアンカレーを名乗る店は各地に多い。
大阪に7店、芦屋、東京に1店を展開する「インデアンカレー」(大阪市北区)は1947(昭和22)年の創業。「伝統の味を変えない」ことが伝統だそうだ。
カレーのメニューは「インデアンカレー」(730円)=写真=の1種類だけ。ふんだんにスパイスを使い、野菜とフルーツを煮込んだビーフカレー。見た目は茶色よりは赤黄色がかっている。とろみはやや薄め。
ひと口食べると、ウーン、甘い。ところが、ふた口、み口と進むと「ン、?????」。3分の1まで行くか行かないうちに頭のてっぺんから汗が噴き出してくる。強烈に辛い。水を飲む。まだ辛い。あのひと口目の甘さは、いったい何だったのだろう。
辛いが、うまい。うまいが、辛い。不思議なカレー。「クセになりそうでしょ」と、女性店員が水のおかわりをついでくれながら、顔中汗だらけの当方を見て笑った。
ここのカレーのわき役は福神漬けではなく「ピクルス」と呼んでいる酢キャベツ=写真左上=。はじめから1皿付いてくるが、追加するなら別途50円。品書きにまで書かれている意味が分かった。辛さでしびれる舌に、甘酸っぱい酢の味が絶妙に合うのだ。
食後もヒリヒリと感覚のなくなった舌をコップの氷にひたしていたら、近くに座った会社員風の若い男性が「カレー大!」。思わず顔を見て、尊敬のまなざしになってしまった。
朝日店は大阪・中之島朝日新聞ビル地下2階。昼どきは行列の覚悟が要る。
他にインデアンスパゲッティ、ハヤシライスなど。
  
  ★★★★★(インデアン、ウソつかない)