日清「どん兵衛 きつねそば」

カップめん「どん兵衛」シリーズに新しい「きつねそば」=写真=が加わった。昨年10月の発売だが、年末あたりからスーパーの売り場にドーンと積まれている。
シリーズ誕生30年を記念してのリニューアル版だそうで、歯ごたえのあるそばとカツオだしのきいたつゆ、丸大豆100%というふっくら油揚げが売り物だ。東日本は甘辛く、西日本は甘く、地域別にだしの味付けも行き届いている。
それにしても、大阪に本社を置く日清食品が、よくも「きつねそば」を名乗ったものだ。大阪で「きつね」と言えば、うどんしかない。油揚げの入ったそばは「たぬき」だ。
これに対して京都では、キツネの好物・油揚げの入った「きつね」は、うどんもそばもある。「たぬき」は、この「きつね」をあんかけにしたものだ。
東京の「たぬき」は揚げ玉(天かす)の入ったもの。天ぷらの「タネ(エビ)抜き」との意味らしい。三都で「きつね」と「たぬき」が入りまじって面白いが、ややこしい。
その意味で、東京に本社がある東洋水産の「赤いきつね」(油揚げ入りうどん)と「紺のきつね」(油揚げ入りそば)、「緑のたぬき」(小エビ天ぷらそば)は東京式だ。ならば、日清「どん兵衛 きつねうどん/きつねそば/天ぷらそば」のラインアップは京都式ということになる。
「きつねそば=油揚げ入りそば」が着実に勢力を広げつつある。「きつね」のおひざ元・大阪の反応やいかに。
 
 ★★★★(新奇さはないが、安定した味)