発覚!ないない大事典

開いた口がふさがらない、というのはこのことだ。テレビの人気番組「発掘!あるある大事典Ⅱ」でねつ造が発覚した。あの「納豆ダイエット効果」を実証したはずのデータが架空のものだったという。
マスコミとして何ともお粗末な限りで情けなく思う。制作した関西テレビの首脳3人がそろって頭を下げる光景は、当の関テレも連日にわたって報道してきた不二家の会見と見まがうほどだった。
発覚の経過も恥ずかしい。そもそも週刊誌で放送内容について疑問が呈され、続報取材を受ける中で記者会見せざるを得なくなった。席上、社長は「視聴者の信頼を損なった」と謝罪したものの、なおも「納豆のダイエット効果はある」などと言い張ったそうだ。
問われているのは、ダイエット効果の有無ではなく、架空データを使っての番組づくりであることさえ分かっていない。現場の事情もろくに把握できていないトップが出てきて、とんちんかんな発言で傷口を広げるところまで不二家そっくりだ。
責任は下請け制作会社といわんばかりの言い方にも、パートや再雇用の現場従業員になすりつけていた不二家と同じ姿勢を感じる。放送法違反うんぬん以前に、トップはその不二家にならって責任を取るべきだろう。
同じ紙面に「おたべ」の期限切れ材料使用、「コカコーラ」の異物混入の「謝罪広告」が出ている。相次ぐ有力企業の不祥事や人気番組の醜態に思う。「誇り」と「おごり」は紙一重だ。