今度は新聞か

朝日新聞東京本社の編集局長が、カメラマンによる他社の記事盗用の責任を問われて解職された。同社の編集局長更迭はこの2年半の間に3人目だという。これほどめまぐるしく編集トップが引責辞任せざるを得ない事態は極めて異常、深刻と言わねばならない。
不祥事は、朝日にとどまらない。山梨日日新聞論説委員長も社説執筆で他社記事を盗用していたことが発覚した。他社の社説を自らの「社説」にしていたというのだから、新聞社として恥ずかしい限りだろう。
まだある。産経新聞西日本新聞河北新報などは、公的機関との共催イベントで謝礼を払って参加者を集めていたことが明るみに出た。参加者をたくさん集めて広告主である公的機関に取り入ろうしたのだろうが、その魂胆がさもしい。
背景に広告収入の低迷がある。貧すれば鈍する、だ。各社が「おわび」で述べているとおり「公正を旨とする報道機関としてあってはならないこと」である。分かっているのに、やっているのだ。
食品メーカーの不衛生管理、電力会社の原発データ改ざん、大臣の失言、テレビ局のねつ造番組…。それらを厳しく指弾してきた新聞も、似たり寄ったりの体質であることを露呈した。政治、経済からマスコミまで、不信の連鎖はどこまで広がるのだろう。