車や「桜エビのかき揚げ」

陽気に誘われて、この連休に静岡まで遠出した。めざしたのは「地魚と地酒 車や」。5、6年前、たまたま店先の品書きにひかれて入ったのがきっかけで、以後静岡に行くたびに、というよりわざわざここへ行くために静岡に出かけている。
富士の白雪がとけて流れる駿河湾は、四季を通じて魚がうまい。これらの地魚を使ったコース料理が中心で、今回はまず「雪見」コース3500円から。ワカサギ南蛮漬け、サヨリの刺し身、イワシのつみれ汁、タラ白子の天ぷら、寒ブリ塩焼き…こちらのペースを見ながら、タイミングよく料理がカウンターに出される。
富士の名水がわく静岡は、酒どころでもある。おすすめの地酒「喜久酔(きくよい)」(藤枝市)は、まろやかな飲み口で杯が進む。途中で「正雪」(由比町)に切り替える。こちらもすっきりした味わいだ。
調子が出てきたところで、コースから外れて桜エビのかき揚げ=写真=を。由比特産の桜エビがカリッと揚がり、サクサクとした食感で香ばしさが立つ。
店名の「車や」は、おいしいものと幸せを運びたいとの思いからつけたとか。味にこだわるご主人と、いつも明るく愛想のよいおかみさん。何度行っても満腹満足、居心地のよい店だ。静岡市葵区常磐町。
 
★★★★★(地酒と地魚の競演)