マルタイ「棒ラーメン」

チキンラーメンが即席ラーメンの始まり(1958年8月発売)なら、マルタイラーメンは即席棒状ラーメンの元祖(1959年11月発売)だ。
チキンラーメンは、確かに画期的な発明だった。多くの類似商品が追随し、世界規模の巨大市場を築き上げた。しかし、それより1年遅れで出たマルタイラーメンは、チキンラーメンとは全く別のスタイル、調理法を編み出し、もう一方のロングセラーとして現在に至っている。
チキンラーメンが既成のラーメンとは別物の食べ物を作り上げたのに対し、マルタイラーメンは当初から簡便でかつ従来のラーメンに近いものを目指してきた。現在の袋入りインスタントラーメンの多くが、チキンラーメンの「縮れ」を踏襲しているが、味つきの揚げめんにせず、粉末スープや調味オイルを別添しているのはマルタイラーメンの流れを引いたものといえよう。
現在は、元祖のマルタイラーメンのほか、とんこつ、しょうゆなど各種の棒ラーメンが出ている。極細ストレートの乾めんは、ゆで過ぎないのがポイントだ。袋の説明書きには「2、3分」とあるが、もっと短くてよい。あとは別添の調味料と油を加えるだけ。好みによってメンマ、高菜、ゴマ、ニンニク、紅しょうがなどを添えたら、九州の本場により近くなる。
 
【写真①=左が「屋台九州味」、右は「ごましょうゆ味」。②=「屋台九州味」に刻みネギとメンマを加えて】
★★★★★(こだわりのロングセラー)