そばとお酒の会

バイクレーサー、水彩画家、呉服商、作家、教師、介護士…みんな職業はばらばら。共通点は、ただひとつ。全員が無類のそば好きということだ。
京都市伏見区のそば処「京乃四季」。以前は四条通で営業していたが、伏見への移転を機に常連客らに呼びかけて「そばとお酒の会」を結成、定休日を利用して3カ月に1度、店の2階で定例会を開いている。
酒好きのご主人が毎回、地元・伏見の銘酒のほか各地の日本酒を用意し、季節に合わせた料理と手打ちの変わりそばに舌鼓を打つ。22回目となる昨晩は「水」をテーマに、京豆腐、伏見の名水「白菊の水」を使った手打ちそばやタラ鍋を味わった。
集まったのは14、5人。もうみんな顔なじみだから、初めから和やかな雰囲気。ご主人がくんできたばかりの名水の話を切り出すと、あちこちから京都の名水巡り、地下水の掘り方、味比べなど声が上がる。
次々と出されるそばや料理を平らげ、杯を重ねるうちに話も脱線、混線してにぎやかなこと。大阪の酒から伏見城豊臣秀吉、梅干づくりの秘伝…。多彩な顔ぶれだけに、うんちくや話題も実に豊富で面白い。
「年いくと、仕事を離れて何人の友だちがいるかが勝負や」と言った先輩がいる。職種や肩書は関係なし。ただのそば好き、酒飲みとしてくつろげる居心地の良さを楽しんでいる。
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【写真=この日味わった3種の変わりそば(①水そば②菜の花切り③トマト切り)】