飛脚の変身

運送大手の佐川急便(京都市南区)が、創業50年を機に会社のマークを一新するそうだ。おなじみの「飛脚」(写真①)から、半そでシャツの「セールスドライバー」(写真②)に変身するらしい。
かつては大型トラックのいかつい印象が強かった運送会社だが、最近は宅配便の普及で各社とも利用者に親しまれやすいイメージを競っている。クロネコペリカン、カンガルー…シンボルマークに動物が多用されているのもその表れだろう。
そんな中で、ちょんまげにふんどし姿で走る佐川の「飛脚」は異彩を放っていた。創業者の故佐川清氏が描いたそうで「迅速、確実、丁寧」という飛脚のこころを表現しているとか。汚職事件で世間を騒がせた時も、飛脚は黙々と走り続けた。
ふんどしがカッコ悪い? ちょんまげが時代遅れ? 「変身」の理由を聞いてみたい気もするが、さしずめ時代に合わせたというところか。けさの新聞広告には「より信頼され、親しまれる佐川急便に生まれ変わる」との「決意」が述べられている。
新しい「セールスドライバー」は横しまのシャツ姿で、両手で荷物を抱え、軽快に駆けている。広告では「ぐっと現代的になって、体型もシャープ」と紹介されている。
今回の変身に当たり、同社では「飛脚の精神を失わずに」と強調している。それは結構。ただ、顔から目鼻が消えたのが気にかかる。時代がどう変わろうと、サービスは「顔が見える」よう願いたい。
  ② 
【写真①は20日付朝日新聞朝刊(広告)、②は佐川急便HPから転載】