UFOの話

UFOと言っても、日清の焼きそばではない。未確認飛行物体。フランス国立宇宙研究センターが、過去50年間に国民から寄せられたUFOに関する目撃情報や写真をこのほどネットで一挙公開した。
「憶測を排し、科学研究に資する」のが目的だそうだが、公の機関がUFOの情報を発表するのは世界で初めて。公開された目撃証言は6000件、写真・絵・ビデオは1600点に上る。センターのホームページはいま、アクセスが殺到してパンク状態という。
新聞社で夜勤していたころ、よく外部から「いまUFOが飛んでます!」などという電話がかかってきた。まさか、とは思うが、捨て置くわけにもいかず、そのたびに天文台へ電話で問い合わせたものだ。
「東山の上空でUFOが飛んでる、って電話があったんですけど。そんな通報、そちらにも入ってませんか」「いいえ、全然。飛行機の見誤りでしょう」。天文台の答えはいつも判で押したように同じだった。
フランスの研究センターがどれぐらい「本気」なのかは分からないが、頭から「錯覚」や「たわ言」と決めつけず、きちんと記録していることに感心する。白か黒か、イエスかノーか、とかくすぐ結論を求めがちだが、広い世の中、そう簡単に割り切れるものばかりではない。
「有耶無耶」と書いて「うやむや」と読む。有るようで無い、無いようで有る。仏教ではこの境地の先に「悟り」が開けると説くそうだ。