茶の間「ビーフカレー」

外観は、ごくありふれた喫茶店。しかし中に入れば、ただならぬ香りが満ちている。コーヒーや紅茶ではない。ツンと鼻にくるあのスパイシーな香り。何を隠そう、ここは知る人ぞ知るカレーの名店なのだ。
カレーメニューは、ビーフ(750円)とバターコーン(870円)の2種類。どちらもサラダが付く。ビーフカレーの大盛りを注文した=写真=。200円アップだが、カレーソースのおかわりOKというのがうれしい。
カレーはとろみの緩いシャバシャバ系。スプーンですくって、コーンフレークが散りばめられたライスの上にかける。フレークからライスの一粒ひと粒にカレーが行き渡る。食べ始めは甘みさえ感じるが、しだいに口の中がヒリヒリ。顔から一気に汗が噴き出す。
辛さを指定していない「並」でこれだから「辛口」と言えばどうなるのだろう。面白いような、怖いような。でも、ただ辛いだけではない。ゴロッとしたビーフがコクを出し、よく煮込まれたタマネギが甘みを添える。心地よさとでも言おうか。味わい深いカレーだ。
従業員の気配りも行き届いている。こまめに席を回ってコップの水をつぎ足し、顔の汗をふいていると「ハイ、どうぞ」とうちわまで。うちわは年中置いているそうだ。
カレーは予定数を超え次第終了。先んずれば人を制す。狙い目は昼前だ。京都市上京区下長者町通室町西入。

★★★★★(やみつきになる辛さ)