大正軒「中華そば」

かつては商店か事務所だったのだろう。石造りの外観にそんな雰囲気が漂う。ラーメン店としては2代目。店内には、由美かおるの殺虫剤「アース」や三船敏郎の映画「七人の侍」のポスターなどを張り、「大正」とまではいかないが、「昭和」の郷愁を演出している。
「京都ラーメンの継承」をうたう。メーンの「中華そば」(並580円、大680円)は鶏がら、とんこつを使ったしょうゆ味。背脂も浮いている。めんは細手のストレート。具はチャーシューにネギ、メンマ。なるほど、それらしき「顔つき」だ。
スープをひとすくい。ン? おとなしい。背脂のところをもうひとすくい。どうも物足りない。あの「こってり」と表現される濃厚な背脂系京都ラーメンのコク、クセがないのだ。だから、せっかくの細めんもスープとの一体感がいまいちで、印象が弱い。
とはいうものの、アクのない分、あっさり系を好む人には食べやすいはずだ。チャーハンやギョウザ、ライスとのセットメニューも豊富。場所柄、飲んだ後の「締め」にはよいかもしれない。
ビジネス街の真ん中だけに、昼どきは近くのサラリーマンや買い物客らでにぎわう。店の前には順番待ちのテントが張られ、腰掛けベンチまで用意されている。京都市中京区東洞院通錦小路下ル。大丸京都店西口の北側。

★★★(クセのない京都ラーメン)
※きょう前を通りかかったら、店舗はそのままで、また別のラーメン店になっていました(07年12月2日)。