祭りの味覚

新緑の輝く5月の京は、祭りの季節でもある。京都三大祭りのひとつ「葵祭」をはじめ、上賀茂神社の「競馬(くらべうま)」、下鴨神社の「流鏑馬(やぶさめ)」、藤森神社の「駈馬(かけうま)」…観光客の集まる大きな祭りだけでなく、地域の神社でも毎週のように祭りがある。
この時期、祭りと切っても切れないのが「さばずし」だ。旧家では、自家製のさばずしがハレの日の食卓に上る。
先日、友人のKさんから、竹の皮に巻いた立派なさばずしを2本頂戴した。Kさんのお宅は洛北・一乗寺にあり、若狭から京に入る「鯖街道」の終着点に当たる。毎年、おいしいお手製のさばずしをいただいている。
今回は、以前に教わった「焼きさばずし」にして楽しんだ。まず、さばずしを電子レンジでチン。その後、オーブントースターに入れて焦げ目をつける。こうすることでサバの香ばしさが立ち、表面に脂も浮いて照りが出る(写真)。
サバのうまさはもちろんのこと、すし飯の酢加減が絶妙。市販のものよりしっかりと押し作られており、ボリュームも満点だ。朝、昼、晩と3食続きで祭りの味覚をたんのうした。