タクシー修学旅行

先日、平安神宮の近くをタクシーで通りがかったら、湯どうふで有名な料亭の前に黒い制服の一団がたむろしている。何かと思って眺めていたら、運転手が教えてくれた。「修学旅行生ですわ。みんなで晩ごはん食べに来てるのやろね」
この時は全体行動のようだったが、昼間はたいてい少人数のグループ行動だ。昨今は生徒の数も少なく、大型バスよりグループ別にタクシーで回るのがはやっている。この個人タクシーの運転手もよく引き受けるそうだ。
グループは、乗車定員いっぱいの5人。午前9時から午後6時まで、行き先は有名社寺が中心だが、学校や生徒の希望も入れてコースを組み立てる。この間、運転手は先生に代わって、生徒がはぐれたり、他校生とけんかしたりしないよう目が離せない。
「昼食もなるべく一緒に取るようにしてます。もちろん食事代は自腹です」と運転手。そう言えば、銀閣寺近くの有名ラーメン店で制服姿の旅行生グループを見かけたことがある。事前にネットや情報誌で調べて来るのだろう。案内役の運転手らしき人も一緒に食べていた。
この程度なら、かわいい。「嵐山の料亭で5000円もする昼弁当を食べたいと言われた時には参りました。私だけ表で待ってました」と聞いて、運転手さんが気の毒になった。
旅行生諸君! せっかくの京都観光だ。食べ歩きは楽しい。が、京料理なんて10年早い。京都名物のラーメンにしておきなさい。