宮城野「せいろそば」

国内産そば粉を使った手打ちにこだわる。元は料亭で、戦後にそば屋に転身したという。「かっぽうの技を生かした味づくり」との評判だ。
モダンな店構えの中は、老舗のそば屋にはない明るい雰囲気。初めてなので、注文は無難な「せいろそば」(750円、写真1)にした。
舌ざわりのよいそばで、つゆは江戸前にしてはやや甘めか。量も少なすぎることはない。強い個性は感じないが、丁寧につくられている印象で好感を持った。
品書きには天せいろ、鴨せいろのほか、しらす、ねばり、温(冷)菜など他店ではあまり見かけないメニューが並ぶ。「手打ちそば処」を名乗っているが、うどんも自慢らしい。ほとんどがそば・うどん、どちらでもできる。
うどんづくりは2日前に仕込んで「寝かす」というこだわりよう。隣席の男性客が大きな声で「しっぽくうどん」と注文していたわけが分かった。
歌舞伎座裏口の向かい。役者や芝居見物の客も多いという(写真2)。歌舞伎にちなんだ「義経」(冷たいそば・うどん)、「弁慶」(温かいそば・うどん)がここの看板メニューだと、後で知った。次回はこれだ。東京都中央区銀座4丁目。

★★★★(豊富なメニューが楽しい)