反撃、これだけですか?

「そろそろ反撃してもいいですか?」。ドコモが新製品発売を前に大々的に打ち上げたキャッチコピーだ。安くて多機能なauソフトバンクの製品を横目に、ずっとドコモ一筋で通してきた身には、なんとも頼もしい「反攻宣言」に聞こえた。
DoCoMo2.0」と名付けられたこのキャンペーン、先陣を切って「904i」シリーズがこのほどお目見えした。さっそく買い換えた職場の同僚に新品を見せてもらったが、どこがどう良くなったのか、素人目には分からない。
当の同僚に感想を尋ねたら「(データ送受信の)スピードが速くなったぐらいですかね」。パンフレットには、この「ハイスピード」以外にも、2つの電話番号が有料で使い分けられる「2in1」や「うた・ホーダイ」「直感ゲーム」などの「新機能」が羅列されている。
例によって、国籍不明の横文字や片仮名まじりの新語、造語のオンパレードだ。よく中身を聞けば、日常使いではさほど必要とも思えない機能ばかりではないか。
携帯会社を替えても番号をそのまま使える「番号ポータビリティー」制度の導入で、ドコモは若者を中心に顧客が他社に流出、「独り負け」したといわれる。料金が高い、デザインがダサイ、機能が低い…新キャンペーンは、そんな不評を吹っ飛ばすはずだった。
まだ反攻の成果を語るには早いが、この程度で「反撃」とはちと厚かましかろう。音楽だ、動画だ、と「2.0」をはやす前に、まずは全国どこでも途切れず通話、通信ができる「1.0」の基本性能向上や思い切った料金体系の見直しで「反撃」してほしいのだが。