花子の夏

日本流に言えば「太郎」と「花子」とでもなろうか。地球規模で気候変動を引き起こす原因とされる気象現象の「エルニーニョ」と「ラニーニャ」。元はスペイン語で男の子と女の子を意味するそうだ。
赤道付近の海面水温が一定基準より高くなるのが太郎、低くなるのが花子。日本では概して、太郎の年は長梅雨、冷夏、暖冬に、花子の年は空梅雨、猛暑、寒冬になりやすいとされる。
気象庁が「5月からラニーニャ現象が起きている」と発表した。どうやらことしは花子さんの出番。梅雨明けが早く、暑くなる可能性が高い。
折も折、夏バテ防止のスタミナ源、ウナギが品薄になりそうとのニュースだ。欧州産ウナギが乱獲で絶滅の恐れがあるとして、欧州連合(EU)が稚魚の漁獲制限と輸出規制を決めた。
欧州産ウナギの稚魚は中国で養殖され、その多くがかば焼きとして日本に輸出されているという。今夏の土用分は確保済みらしいが、今後徐々に影響が出てくると心配されている。
EUはウナギだけでなく、地中海でとれる養殖クロマグロも漁獲削減をするそうだ。先に国際捕鯨委員会(IWC)の沿岸捕鯨再開否決、ロシアの活ガニ輸出規制なども話題になった。
なにやら日本の食卓が目の敵にされているようで、あまりいい気分はしない。そうでなくとも花子の夏、ますます暑苦しくなりそうだ。