長寿の秘けつ

ギネスブックの男性長寿世界一になった宮崎県都城市の田鍋友時(ともじ)さん(111歳)にきのう、英国の発行元から認定証が届いた。長寿世界一は福岡県の皆川ヨ子(よね)さん(114歳)で、これで日本人が男女そろって長寿ナンバーワンとなった。
よく「長生き=長寿と決めつけるな」との批判があるが、田鍋さんはいたって元気。五男(66歳)夫婦と同居し、毎朝、新聞を読み、日記をつけているという。認定証を受け取り「(長生きは)自分の力ではない。みなさんのおかげです。うれしい」と述べたそうだ。
われわれが子どものころ、長寿と言えばカスピ海近くの民族とされ、ヨーグルトがその健康のもとであるかのようにはやされた。その後、日本人の平均寿命も延び、奄美大島の男性が正確な生年は不詳ながら最長寿として黒糖焼酎の広告などで紹介されたりもした。
一説によると、人間は120歳まで生きられるようにできているそうだ。もちろん、多くが途中で病気や事故などに見舞われるため、その「天寿」を全うするのは至難である。世界一のおふたりのように長生きするには、何より節制が肝要といわれるゆえんだ。
と書いて、わが身を振り返る。昨晩は同僚らと3軒をハシゴして痛飲、帰宅したのはけさの明け方近く。玄関ポストに朝刊が入っていた。二日酔いの耳に、テレビから田鍋さんのコメントが聞こえてきた。長生きの秘けつを問われての答え。「お酒を飲まないこと」。あっ、痛ッ。