学歴詐称

なんとも情けない公務員がいたものだ。
きのう大阪市が、学歴を偽って採用されていたとして965人もの職員を停職1カ月の懲戒処分にすると発表した。千人近い市職員がそろって学歴詐称とは−思わずわが目を疑った。
数の多さにも驚いたが、その行為が採用時の「学歴詐称」とは開いた口がふさがらない。よくある「学歴詐称」は、中退を卒業とごまかしたり、行ってもいない外国の大学を卒業したかのように「背伸び」して上位の学歴を称することが多い。
大阪市の場合は、これとは反対に、大学や短大を卒業しているのにそれを隠して「高卒以下」に限定された技能職に就いていた。給与や待遇が高卒扱いとなるため市に「実害」はないとの声もあるようだが、正当な高卒者の就職機会を妨げたことは間違いない。
同様の学歴詐称は神戸市や尼崎市でも発覚しているという。不況の中、安定した公務員は不正をしてまで得たい職ということか。
大阪市は、停職中は公園の掃除や駐輪場の整理などボランティア活動に従事するよう求めている。この間「アルバイト、副業は許されない」「旅行やパチンコ、ギャンブルなど遊興娯楽は慎まれたい」などの注意事項も添えたそうだ。
ここまで事細かに指示されなければ当たり前のことが守れないか、とため息が出る。こんな「公務員」に税金を払っているのだから、市民も大変だ。