公約CM

先日の新聞に、こんな話が載っていた。自民党参院選向けに作ったテレビCMに視聴者の誤解を招く表現があると民放が指摘、内容の一部が変更された、というものだ。
問題にされたのは、CMのナレーション部分で「皆様の年金は責任を持ってすべて保証します」というくだり。原稿を見た民放数社が「すべて保証」の文言について「実現可能性がはっきりしない約束をしている」などとして放送に難色を示したそうだ。
結局、この部分は「…責任を持って取り組んでいます」に変え、現在放送されている。「保証します」と「取り組んでいます」とでは大違い、ずいぶんトーンダウンしたものだ。
民放各社は、視聴者が誇大広告などに惑わされないよう広告表現の基準を設けている。今回はこの基準に照らして問題視されたらしい。しかし、一般の商業広告と違って、選挙向けの政党広告にまでこの基準を適用するのが妥当かどうか。
政党の公約を「実現可能性」というモノサシで測れば、少なからぬ公約に「?」がつくのではないか。同じCMの中で「日本のリーダーシップで温暖化ストップ」の文言は通っている。これとて「実現可能性」に照らせば、かなりあやしいものだ。
せっかく政権党が国民の前で「すべて保証」と大見えを切ったのに、なんで民放局が変えさせたのか。残念でならない。元通りのCMを流してくれていたら、国民は大きな言質を得たところだったのに。