天天有「中華そば」

酔った勢いで、久しぶりに「天天有(てんてんゆう)」ののれんをくぐった。もう7、8年前になるだろうか。この日と同じく飲んだ帰りに立ち寄った際、あまりにも味が落ちているのに幻滅、それ以来行っていなかった。
タウン誌やネットのランキングではいつも上位にあげられる有名店。深夜というのに、相変わらず店内は満杯。表には空席待ちの客もいた(写真1)。「そんなにしてまで来る店ちゃうで」。酔いも手伝って、憎まれ口をたたきながら席についた。
その後改装したらしく、カウンターやテーブルのレイアウトも変わり、全体的にきれいになった。注文は「並」(550円、写真2)。
鶏がらの白濁スープに中太ストレートめん。チャーシュー5枚に刻みネギがのっている。外見は「天下一品」を思わせるが、あれほどのギトギト感はない。意外にさっぱりした食べ口が、若者や女性客に受けているのだろう。
めんはストレート、平打ちの2種類。めんの硬さ、しょうゆ味の濃さ、ネギの量なども注文できる。以前に比べると、スタッフも若返り、和気あいあいの雰囲気だ。しかし、かつてのコクの深い、丁寧な味づくりを知る者にとってはどこか物足りない。
ラーメンブームの広がりとともに、アクやクセのない店、味が増えた気がする。「ラーメン激戦地」の先駆けだったこの店の変身も、こうした流れと無関係ではないのかもしれない。京都市左京区一乗寺西杉ノ宮町。

★★★(評判に追いつけ)