世界陸上

朝起きてきて、テレビのスイッチを入れたら、女子マラソンの最中だった。30kmを過ぎたあたりで、先頭集団に日本人選手が2人入っていた。世界陸上大阪大会の最終日。ここまで日本はメダル0。ついつい画面に引き込まれた。
この大会、当初からしらけて、あまり見る気がしなかった。というのも「公式スポンサー」という名のメディアが何百日も前から大騒ぎし、特定の選手を過大に持ち上げたり、スポーツと無関係なタレントを動員して派手にあおりたてるのがハナについていたからだ。
大会前、チケットの売れ行きが悪い、との新聞記事が出た時「それ見たことか」と思った。フタを開けると案の定、競技場のスタンドは空席だらけ。日本人選手の不振続きも追い打ちをかけた。盛り上がっているのは、当のメディアだけ。それもうわべだけのようで、いい気味だった。
それが女子マラソンのレースには引かれた。早朝スタートとはいえ、ゴール付近では30度を超す猛暑の下、土佐礼子選手が最後までトップに食い下がり、みごと3位に入った。今大会の日本勢初、かつ唯一のメダル獲得。なぜかホッとして、うれしくなった。
極限の力を振り絞って、相手や自分とたたかう姿は見る者の心を打つ。やっぱりスポーツはいい。
さて今夜のニュース、番組ではどう取り上げられるのだろう。せっかくの感動を、また中身のないバカ騒ぎで台無しにしてほしくない。