わが子の責任

親は、いつまでわが子の責任を負わねばならないのだろう。息子が覚せい剤所持で逮捕された女優・三田佳子さんの「謝罪」会見の様子をテレビで見ていて、そう思った。
彼女の二男は27歳。覚せい剤による逮捕は、少年時代も含めて3度目だ。会見では、当然のように芸能リポーターらから厳しい質問が相次いだ。
三田さんは「28歳にもなる息子をどうすれば立ち直らせることができるのか、方法が分からず、ゆうべもひと晩泣いていました」と声を詰まらせ、夫とともに考えたというコメントを読み上げた。
「私たち夫婦の養育、教育の失敗。多くの人にご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます」「正直、心の中では放り出しても当然。ただ万一、ひとさまを傷つけるとかいうことにまでなったら大変なこと。完全に彼を切り捨てるには状況が悪すぎました」…。
二男の愚かしさは言うまでもない。三田さん自ら認めるとおり「親として至らなかった」と言われても、ある程度やむを得まい。しかし、ではどうしたらよいのか。同じ人の親として考えれば、三田さんの立場も痛いほど分かる。
三田さんは終始、悲痛な表情で「謝罪」に努めた。過去の会見で、自分の受け答えが「世間知らず」「居丈高」などとリポーターらの反発を買ったのを意識してのことだろう。
もし普通の家庭の話なら、これほど騒がれることはない。「女優」ならば、それをあえて甘受しなければならないのだろうかとも思う。反論の余地なく、ひたすらうなずく母親の姿に、容赦なく浴びせられるカメラのフラッシュが、現代版「つるし上げ」に見えた。