広告2題

きのうの日経新聞で、2つの全面広告が目を引いた。
1つは、石屋製菓の「白い恋人」販売再開(写真1)。「約束します。こころ、むすぶ、お菓子へ」をキャッチフレーズに▽入念な製品検査、原料検査と品質管理の徹底▽衛生管理マニュアルによる厳重チェック▽お客様サービス室の新設−などをうたっている。
役員を一新、再起を誓っての出直しだ。営業が再開できる喜びとともに、それなりの決意はうかがえる。
ただ、今回の不祥事で問われたのは、賞味期限の虚偽表示や大腸菌ブドウ球菌検出の事実隠しだった。検査や品質管理うんぬんよりも、まずは再出発の第一声で「商道徳」の高揚や「情報公開」の徹底をこそ「約束」してほしかった。
もう1つは、スポーツシューズのアシックス(写真2)。この日行われた創業者・鬼塚喜八郎さん(9月死去)の「お別れの会」に合わせた追悼広告らしい。「鬼塚喜八郎『失敗の履歴書』」と題し、戦後裸一貫から試行錯誤を重ねて今日の隆盛を築いた故人の足跡をたたえている。
広告の長文は紹介できないが、末尾に彼が毎年の新入社員に読み上げたという「スポーツマン精神5カ条」が掲げられている。
いわく「常にルールを守り、仲間に対して不信な行動をしない」「礼儀を重んじ、フェアプレーの精神に徹し、いかなる相手もあなどらず、たじろがず、威張らず、不正を憎み、正々堂々と尋常に勝負する」…。
スポーツマンに限らず、すべての人に通じる至言。再起の「白い恋人」にもかみしめてもらいたい。
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