日清「ミルクシーフードヌードル」

先月発売されたばかりの新製品。食べる前はさして期待していなかった。車で言えばマイナーチェンジ、フロントグリルや内装の一部を変えただけ−レギュラー版と変わりばえのしないパッケージの地味なデザインも手伝って、そんな先入観があった(写真1)。
ひと口目。やっぱり…。あっさりとして「ミルク」の風味はほとんど感じない。具も同じだから、いつものシーフードヌードルとほとんど変わらない。
ところが食べ進むうちに、だんだんスープが濃厚に思えてきた。事前によくかきまぜたつもりだが、底に調味料が沈んでいたのかと思うほど。めんのつややかさも伝わってきた(写真2)。
最後は実にクリーミー、クラムチャウダーを思わせる味に。もはや「カップヌードル」の域を超えて、別の食品の感。お供は、ごはんよりパンが合うと思った。
同社のホームページで明かされている開発秘話が面白い。それによると、そもそも開発のきっかけは約10年前。「シーフードヌードルに牛乳を入れて食べるとうまい」。そんなうわさを耳にした開発研究員が自ら試してみたそうだ。
脂肪分の多い牛乳はしつこく、低い牛乳はさらりとし過ぎ。両方とも塩分を強く感じる。牛乳に生クリームを加えるとカルボナーラのようなコクは出るが、しつこくて、とても1杯食べきるのは難しい…試作に試作を重ねた努力の結晶だ。155円。

★★★★★(「努力」は日清伝統の味)