広島お好み焼き「大野/長久」

広島へ日帰り出張。となれば当然、昼はお好み焼きだ。
地元紙の専門サイト「炎の鉄板」を立ち上げた仕掛け人Tさんにあらかじめ電話で取材、取っておきの情報を仕入れておいた。
教えてもらった4軒の中から、さてどこへ行くか。ここがよさそう、いやここも…。えーい面倒だ、どっちも行ってしまえ。ということで、生まれて初めてお好み焼き屋の「ハシゴ」。路面電車を乗り継いで昼食に2軒回ってしまった。
◆大野
Tさんのイチオシ。1961(昭和36)年の創業。おかみさんのおばあちゃんから女3代で築いてきた老舗とか(写真1)。
定番の「そば肉玉」(写真2)を注文。なんと450円。広島大の学生客が多く、値段は17年前から据え置いているそうだ。かあちゃん代わりの心意気がうれしい。
ふんわりとやわらかな生地が特徴。日本酒でほぐすというめんは実にまろやか。野菜はカツオと昆布の粉をふりかけて風味を増している。あっさり味に甘いオタフクソースがぴったり合う。広島市中区千田町。★★★★★
◆長久(写真3、4)
こちらは2004(平成16)年開業の新興店(写真3)。「厚さ3cmの鉄板でからりと焼く」とのフレーズに引かれた。
注文は同じく「そば肉玉」。ランチタイムサービスで730円が630円に。見た目が薄く感じた「大野」に比べて、ここのは関西のお好み焼きと同じような厚さだ(写真4)。
コテで半分に切って、分厚い「地層」を観察した(写真5)。上から青のり、カツオ、卵でといた生地、そば、豚肉、キャベツ、モヤシ、底に薄い生地。そばの上にお好み焼きを単純に重ねた関西の「広島焼き」「モダン焼き」とはかなり趣が違う。
焼き加減が強すぎて、具のうまみがおさわっている印象を受けた。広島市中区幟町。★★★



■写真6=懐かしい「京都市電」が現役でまだ活躍していた(広電本社前駅