岡山雄神「あたご梨」

岡山は「フルーツ王国」を自称している。白桃、マスカット、ピオーネ…。ネットには「フルーツ王国岡山検定」なるものまである。
「あたご梨」も王国特産のひとつ。戦時中の1943(昭和18)年、県内に導入され、いまでは岡山市西大寺の雄神・西隆寺地区を中心に栽培面積、収穫量とも全国一を誇るという。
赤ん坊の頭ほどもある日本一大きなナシとして知られ、実の重さを枝が支えきれないため、農園には棚が設けられるそうだ。大きさが分かるよう、いただいた「あたご梨」を普通の柿(左)と並べて撮影した(写真1)。中には1.5kgにも上るものもあるそうだ。
実は真っ白。「二十世紀」ほど水っぽくはなく、ザラついた食感はあるが、歯切れはよく、大柄に似つかわしくない繊細で上品な甘味がある(写真2)。
旬は今ごろだが、日持ちがよく、冷暗所なら1カ月ぐらい平気だそうだ。その間も熟成が進み、メロンのような香りとコクが加わるという。すぐ食べてしまい、惜しいことをした。

★★★★(実は大きいが味は繊細)