むろまち「ちゃんぽん」

ちゃんぽんは、明治時代に長崎で中華料理の店をしていた陳平順さんが、母国から来る苦学生に安くて栄養のある食べ物を、と考案したといわれている。故郷・福建省の料理をベースに、近海でとれる小エビやカキなどの魚介類と野菜をふんだんに使って、当初は「支那饂飩(しなうどん)」といったらしい。
福建語で「ご飯を食べる」のを「吃飯(シャポン)」と言うとか、中国の鉦(かね)の音「チャン」と日本の鼓の音「ポン」を合わせたとか、語源には諸説ある。商標登録を勧める声もあったが、陳さんは「大勢の人に食べてもらえたら満足」とこだわらなかったそうだ。おかげで全国に「ちゃんぽん」の名が広まった。
以上は、以前、陳さんが開いた長崎の「四海楼」へ行った折、併設の資料館で得た「へえ〜」の受け売り。ちなみに「皿うどん」は、ちゃんぽんを揚げたもので、同じく陳さんの創作。当初は太めんだったらしい。いまはパリパリの細いめんが主流なのに「うどん」と呼ばれているところに、「支那饂飩」の名残がうかがえる。
下の写真は、二条室町の「むろまち」(京都市中京区)の「ちゃんぽん大盛り」。800円。ボリュームのほどは、後ろに置かれたコップとの背比べで一目りょう然。鉢すれすれまで入ったスープ、運んできたおばちゃんが「アチ、アチ、アチッ」。おばちゃん、親指がスープにつかってるがな! 量だけでなく、お味の方も、ちと大味。
  
★★★(迫力満点、満腹間違いなし)