権兵衛北山店「釜揚げそば」

「釜揚げ」といえば、「うどん」だ。一般的に湯のびしやすいそばは、釜揚げには不向きと考えるのが普通だろう。
しかし「うどん・そば」と名乗る店の多い京都で、この店はわざわざ「そば」2文字の看板を掲げている=写真右=。品書きにはうどんでもそばでもできるとあったから、あえて「そば」を試みた。
湯をはったおけから熱々の湯気が立ち上る。写真のピントが合わせづらく、もたついた。早く揚げないと…。撮影後、急いでそばを手繰った。
石うすびきの国産そば粉を使った二八。少しダレ気味だったが、風味を損なうほどではなかった。具は、ネギに少量の刻みキツネと土ショウガ。つゆには、ウズラ卵の黄身が浮いている=写真左=。
昆布を主体に、かつおと合わしただしつゆはさすが。後口にまでほのかな甘みが残る。江戸の辛口とは対照的。いかにも「京都」といった味わいだ。
ストレートにだしのうまみが味わえる釜揚げうどんを独唱に例えるなら、釜揚げそばはそばの風味とだしの息の合ったデュエットか。
950円。そば、うどん、どんぶり各種。地下鉄北山駅の東100m。
 
★★★(値段がやや高め)